インプラントの基礎知識

インプラント歯科選び

インプラントをおこなう歯科医院が増えて来ています。多くの歯科医院がある中で、良い歯科医院を探すのはなかなか難しいですが、このページでは選び方のポイントをいくつかご紹介します。

歯科医院選びのポイント

最近では、ほとんどの歯科医院でインプラント治療をおこなっているため、気軽に受けられる治療という印象を受けてしまいますが、インプラントは外科手術をともなう治療であることを忘れてはいけません。「なんとなく」「安いから」で選ぶのではなく、「信頼できるか」「きちんとした処置をしてくれるか」ということで歯科医院を選ぶことをお薦めします。

歯科医師に関するポイント

信頼できる歯科医師か

インプラント治療は1年以上の治療期間を要することがあります。さらに、インプラントを長く使用するためには、メンテナンスのために定期的に歯科医院に通わなくてはなりません。長くお付き合いするからこそ、自分自身と先生との相性は重要です。相性が悪く不安があると、どんなに良い治療をしてもらっても「本当にきちんとした治療だったのだろうか?」などと不信感を抱いてしまいます。こうなると、治療後のメンテナンスが重要なインプラント治療にとって悪い影響を及ぼしかねません。

自分の気持ちの上でも満足のいく治療が受けられるよう、治療前のカウンセリング時に疑問や不安について質問し、どのように答えてくれるか、どのような治療方針を持っているかなどから先生との相性を判断するのもよいでしょう。

治療実績・経験は豊富か

ホームページなどで「年間○○本のインプラント実績!」と手術の回数が多いことをアピールしていることがありますが、手術回数が多いから経験豊富な信頼できる先生とは限らないのがインプラント治療です。
できればカウンセリングの際、以前に治療を受けた患者さんはどれくらいの期間インプラントがもっているのか、問題があったことはないかなどを質問してみるとよいでしょう。可能であれば治療例をいくつか見せてもらって、歯のどの部位で、どのような手術法で治療を成功させているのかを参考にするのもひとつの方法です。

また、インプラント治療でとても重要となってくるのが、治療後のメンテナンスです。万が一問題が起こってしまったときに、きちんと柔軟に対応してくれるかどうかもカウンセリングで確認しておくとよいでしょう。

これらは直接歯科医師には質問しづらい事柄かもしれませんが、これらはより良い治療を受けるために重要なことです。むしろ、このような質問に嫌がらず答えてくれる先生が、信頼できる先生といえるかもしれません。

治療に関するポイント

他の治療法も提案してくれるか

歯がなくなってしまったり、抜歯したりしたときの歯の治療法はインプラントだけではありません。
入れ歯やブリッジ治療、矯正など他にも選択できる治療があるのに、インプラントだけしか提案してこない歯科医院での治療は、考えなおす必要がありそうです。
インプラント治療は健康な歯を削らなくて良い、自分の歯のように食べ物を食べられるなどというメリットがありますが、治療に時間がかかったり、治療費が高額であったり、外科手術が必要であったりなどというデメリットもあります。
このようなデメリットを説明してくれない歯科医院は注意し、セカンドオピニオンを検討するのもよいでしょう。

検査をきちんとおこなっているか

歯科医師を対象としてインプラントの事故が起こる原因について質問した際、レントゲン撮影やCT撮影による事前の検査が不十分で、人それぞれ違う顎の骨や神経の位置を正しく把握できていなかったということが考えられる、という回答をいただいたことがあります。

インプラントの事前の検査はレントゲン撮影やCT撮影、口腔内写真撮影、血液検査などさまざまなものがありますが、治療を担当する歯科医師が診断に必要と考える検査が治療前におこなわれます。

検査の数は増えれば増えるほど費用もかかるため、最低限の検査のみおこなう方針の先生もいらっしゃるので「数が多い」ことがよいとは限りません。必要な検査をきちんとおこない、検査結果から適切な診断をしているかどうかが大切になりますので、何のためにどんな検査をおこなうのか、その検査結果によってどのような治療方針を立てたのかをきちんと説明してくれるかどうかを判断の参考にするとよいでしょう。

信頼できるインプラントか

インプラントの値段はメーカーや材質、歯科医院によって実にさまざまで、1本の値段が5万から40万以上と非常に幅があります。
保険適用外ということからつい安さを重視して選んでしまいがちですが、安さにだけポイントをおくのも良くないですし、逆に高いから安心とも限りません。信頼できる品質のインプラントを使う、ということが大切です。「せっかくインプラントを入れたのに、長持ちしなかった」ということになっては意味がありません。

インプラントメーカーは国内外に数百あり、インプラントの精度や安全性については玉石混交と言われています。自分の歯として埋入される、長ければ何十年も付き合っていくインプラントがどこのメーカーのもので、どういった素材でできているのか、ということを患者さん自身も知っておく必要があります。インプラントに自信がある歯科医院なら、使用するインプラントがどのようなものかをきちんと説明してくれるはずです。

歯科医院に関するポイント

衛生管理が適切か

インプラント治療で心配されるのが感染症です。
特にインプラントを埋入するときの衛生管理は、その後の経過に大きく関わります。医院に行ったときは、手術専用のオペ室があるか、オペ室がなくても手術のために診察室を貸切り状態にしてくれるかを確認しましょう。

手術中の衛生管理をチェックすることは難しいですが、目安のひとつとしてその医院の衛生観念は医院自体の清潔さ(待合室、診察室、トイレなど)を見るのもよいでしょう。来院時に観察し、この医院に安心して自分の治療を任せられるか、参考にしてみてください。