安心できるインプラント治療ガイド

歯科医院選びのポイント

インプラントは保険が適用されない自由診療のため、治療を行う歯科医院によって治療費が異なります。1本10万円以下をうたう歯科医院から、1本50万円以上する歯科医院まで治療費はさまざまですが、値段だけを見て「治療費が安い方が“良心的”」と考えるのは危険です。 1本10万円以下のインプラントと50万円以上のインプラントは、同じインプラントとは限らないからです。

100グラム5,000円以上する牛肉と、100グラム98円の牛肉が同じものだと考える方はほとんどいらっしゃらないでしょう。それと同じように、それぞれの歯科医院が扱っているインプラントがなぜ安いのか、なぜ高いのかを消費者である患者さんがしっかりと見極める必要があるのです。

どちらのインプラントを選びますか?

  A歯科 B歯科
表示価格 40万円 10万円
上部構造体 含む 費用別
厚生労働省の認可 ×
素材 純チタン 不明(合金)
保証 ×

 

もちろん安いインプラントが全て良くないということではありません。
きちんとしたインプラントを使って、メインテナンスもしっかりと行ってくれる歯科医院なら、費用が安くても問題ないと思われます。患者さん自身がインプラントについてよく知り、わからないこと、不安なことがあれば直接歯科医師にたずねてみると良いでしょう。

実績は?

歴史が古いメーカーは、それだけ多くの臨床実績があり、研究も充分になされて来ているため、安全性が客観的に検証されています。
自分の体の一部となるインプラントが、どのような実績を持っているかを知ることが大切です。

安全な素材?

安価なインプラントは、安全性が保証されていない安価な素材を使用している可能性があります。
どのようなメーカーが作っている、どのような性質のインプラントかがわからない場合は、安くても避けた方が賢明です。

シェアは?

メーカーによって規格が異なります。引っ越し先で同じインプラントを扱っている歯科医院が見つからず、メインテナンスを受けられなかったという事例があります。
できるだけ広いシェアを持つメーカーのものを選んだ方が良いでしょう。

メリットとデメリットの両方を知る

全ての患者さんにとって良いことづくめの治療というのは、残念ながらありません。 インプラントはメリットがたくさんありますが、全ての方に適しているわけではありません。患者さんがインプラント治療を希望しても、他の治療法の方が適していることもあります。 他の治療法での可能性を説明せず、インプラントだけをすすめて来る場合は要注意です。

また、「最新の」「最先端の」とやたらと新しい素材や治療法をすすめて来たり、安さを謳う場合も、すぐに返事をせずにしっかりと説明を受けてください。新しい素材や技術は、安全性や効果に関する検証が十分になされていないことがあるかもしれません。安いインプラントは、粗悪な素材だったり、オプションがたくさんついて総額が高くなってしまうものかもしれません。

メリットだけを強調され、納得のいく説明を得られない場合は、複数の歯科医院にセカンドオピニオンを求めてみるのも良いでしょう。

本当の意味での「実績」を見分ける

治療実績

ホームページで「年間●●本以上施術」と治療本数の多さをうたう歯科医院が増えて来ましたが、施術本数が多い歯科=良い歯科とは限りません。

数回の研修を受けただけの経験の浅い歯科医師にノルマを与え、やみくもにインプラント手術をさせる歯科医院かもしれません。歯科医師が2〜3年で辞めてしまい、トラブルが発覚した時には治療の責任を取ってもらえない歯科医院かもしれません。

A:インプラントの手術をたくさん経験している先生
B:手術後のインプラントが長持ちしている先生

本当に実績があるのはA,Bどちらの先生でしょうか?

治療経験

治療を担当する歯科医師が、その歯科医院でどのくらいのインプラント治療の実績があるかをたずねてみると良いでしょう。
施術本数が多くても、2〜3年で歯科医院を移っているような歯科医師は要注意です。

専門教育

インプラントの専門教育をきちんと受けているか? 意外なようですが、実は非常に大切なポイントですので、チェックしてみましょう。
経歴が全てではないですが、どのような勉強をしているかの参考にはなります。

保証・アフターケア

インプラントは、定期的にメインテナンスを受ければ、長期間の使用が可能です。メインテナンスを大切に考えている歯科医師を探しましょう。
治療の保証制度の有無も、アフターケアの目安のひとつになります。

インプラントの資格

インプラント治療を担当する歯科医師の経歴に「●●認定医」「××指導医」という肩書が記載されていても、それだけでは実績の保証にはなりません。残念ながら、インプラントメーカーが主催するセミナーを数時間受けるだけで与えられるような資格も存在するからです。

逆に資格を持っていなくても素晴らしい治療をする先生もいらっしゃいますが、一般の患者さんが歯科医院を探す際には、どのような団体の資格を持っているかを目安にするのも良いでしょう。

【参考】インプラントの資格

インプラントに関する学会は国内外に多数ありますが、代表的なものは以下の3団体です。

日本口腔インプラント学会

日本最大のインプラント学会で、10,000人以上の会員が所属しています。
専門医・認定医の2つの認定資格があり、日本口腔インプラント学会によって口腔インプラント専門医と認定されることは、厚生労働省が認める先進医療としてのインプラント義歯治療を行うための条件となっています。

ICOI(国際口腔インプラント学会)

国際的な評価を受けている、世界最大のインプラント学会です。
フェローシップ(認定医)、ディプロメイト(専門医)、マスターシップ(指導医)の3種類の認定資格があり、全ての資格は3年ごとに更新審査があります。

AIAI(国際インプラント学会)/DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)

DGZI は、ICOI同様国際的な評価を受けているドイツのインプラント学会です。 AIAIはDGZIの日本支部を併設しており、指導医・認定医の2つの認定資格があります。

「インプラント専門」よりも「総合歯科」で

インプラント治療は失った歯を補うための歯科治療ですが、歯を失う理由は患者さんによりさまざまで、インプラントの施術だけを行えば良いものではありません。

虫歯や歯周病によって歯を失った方は、インプラント周囲炎(歯周病のようなもの)のリスクが高いと考えられますから、インプラント埋入手術後のお口の管理をしっかりと行く必要があります。また、インプラントの上部構造であるセラミック歯をきれいに仕上げるのは審美治療の分野になり、人工歯の噛み合わせを良くするためには矯正歯科や顎関節症治療の知識や技術も必要になって来ます。

インプラントを専門に行う歯科医院よりも、総合的な治療を行う歯科医院を選ぶと良いでしょう。

【総合歯科としてのインプラント治療】

一般歯科・・・ 歯を失う原因(虫歯・歯周病)の治療、補綴
予防歯科・・ ・ 虫歯、歯周病、周囲炎の予防
矯正歯科・・・ 噛み合わせ、インプラントのための部分矯正
審美歯科・・・ 上部構造(セラミック歯)、審美性の回復
技工技術・・・ 仮歯、上部構造(セラミック歯)、義歯等

赤坂歯科クリニックでは・・・?

信頼できると判断したインプラントしか使用しません

当院では、主にストローマンインプラント(ITIインプラント)を使用しています。
ストローマンインプラントは30年以上にわたるインプラント研究・科学的な文献によって裏付けされた臨床実績があり、予後や安全性について客観的に信頼できると判断しているからです。
インプラントは、患者さんの体の一部となるものです。どんな素材でどのように作られ、どのような治療結果がもたらされるのかが客観的に評価されていないものを患者さんのお口の中に入れるわけにはいきません。

「歯を残す」ことを第一とする診断をしています

インプラントは非常に優れた治療法だと思っていますが、全ての患者さんにとってインプラント治療が“ベスト”とは限りません。治療法のひとつとしてインプラントのご提案はしますが、患者さんのお口の状態やライフスタイルによってはブリッジや入れ歯の方が適していることもあります。
それ以前に、インプラントがどんなに優れていても、やはり天然の歯に勝るものはありません。歯を抜いてインプラントにすることは簡単ですけれど、手間や時間がかかっても歯を残せる可能性はないのかを常に考えて治療に当たっています。

15年以上予後をみて来ていますが、勉強は続けています

インプラント治療の評価は、1年間に何本インプラントを打ったかということではないと思います。
インプラント埋入手術を行っている歯科医師はたくさんいますが、自分が手術を行った患者さんの5年後10年後の予後を評価できている歯科医師はそれほど多くありません。毎日何本もインプラントを打つことはすごいことだと思いますが、5年後10年後にもちゃんと機能しているか(*)など、予後の評価の方大切だと思います。
*埋入後に定期的なメインテナンスを受けていることを前提とする

長くやっていれば今度は油断が出てきます。ですが、歯科医師にとっては何百本目であっても、患者さんにとってはたった1本のインプラントです。毎回緊張しますし、どの患者さんにも慎重になります。「自分はインプラント治療が出来る」と思わず、今でも勉強は続けています。

インプラント単独では成り立たないものと考えています

最初からインプラントを希望して来院される患者さんよりも、虫歯や歯周病で歯を失った方の補綴治療のひとつとしてインプラントを選択される患者さんの方が多くいらっしゃいます。インプラントだけを専門に行っているのでは、他の治療との連携が十分にとれないことが懸念されます。例えば、患者さんがインプラントを希望されていても、根気よく根管治療を行えば歯の根を残せそうなケースで、インプラント専門歯科が根管治療を行う一般歯科とうまく連携できるかというと、難しいと思います。

インプラントはただ歯を失った部分を補えばいいという治療ではありません。1本の歯をインプラントにすることで向い合う歯や周りの歯とのバランスが変わります。インプラント単体ではなく、お口全体を総合的にとらえていく必要があるため、専門医院より総合医院の方が適していると考えています。